研究課題
Gタンパク質共役型受容体は、Gタンパク質もしくはβアレスチンを介す2つの情報伝達経路を持つ。近年、バイアス型アゴニストにより一方の経路だけが活性化されるバイアス型シグナル機構がGタンパク質共役型受容体の機能上も創薬上も注目されている。本研究では、受容体の不活性型構造に加え、バランス型アゴニスト、バイアス型アゴニストとの複合体構造の決定を目指した。そして、各種リガンドの結合様式や構造の比較を行い、Gタンパク質共役型受容体の各種シグナル伝達機構を分子レベルで解明するために役立つ情報を取得することが目的であった。Gタンパク質共役型受容体は、非常に不安定な膜タンパク質であるため、結晶構造解析を成功させるにはGタンパク質共役型受容体を安定化させることが必須である。本研究では、これまでの研究経験を活用し、構造が柔軟なGタンパク質共役型受容体の細胞内ループを水溶性タンパク質へ置換し、昆虫細胞で発現させたサンプルの単分散性や熱安定性を評価し、野生型に比べて安定なコンストラクトの作製に成功した。また、Gタンパク質共役型受容体に対する立体構造認識抗体を取得し、このような抗体を結合させることでもGタンパク質共役型受容体を安定化することに成功した。このようなコンストラクトや立体構造認識抗体を利用することで、Gタンパク質共役型受容体について、結晶化と構造解析に成功した。このような成果のいくつかは、論文として発表することができた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 図書 (2件)
Nature Communications in press
巻: 14 ページ: -
10.1038/s41467-023-36883-5
Cell Chemical Biology
巻: 28 ページ: 1132~1144.e9
10.1016/j.chembiol.2021.01.004
eLife
巻: 10 ページ: -
10.7554/eLife.62389
医学のあゆみ
巻: 278 ページ: 573-579
Nature Communications
巻: 11 ページ: -
10.1038/s41467-020-20221-0