一次繊毛は細胞のアンテナとして機能するオルガネラであり、その異常は多様な重篤症状を呈する繊毛病を引き起こす。一次繊毛の形成や機能維持において基盤となるのは繊毛内に受容体等を輸送する繊毛内タンパク質輸送装置(IFT装置)である。IFT装置は40種類以上のタンパク質から成る複雑な分子マシンである。本研究では、研究代表者が開発・改良した『観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法:VIPアッセイ』、『改良型CRISPR/Cas9ゲノム編集法』、『膨張顕微鏡法による超解像イメージング』を駆使した多角的なアプローチによる解析によって、IFT装置の構築様式および動作原理の一端を解明した。
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