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2018 年度 実績報告書

クライオ電子顕微鏡法と少数構造生物学によるアクチン線維動態の構造的理解

研究課題

研究課題/領域番号 18H02410
研究機関名古屋大学

研究代表者

成田 哲博  名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30360613)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアクチン / 電子顕微鏡 / 細胞骨格 / 単粒子解析
研究実績の概要

本研究は、歪みの無い走査透過型電子顕微鏡像を用いて、像の数を集めるのが難しい対象の構造解析を行うことを目指している。2018年度は、アクチン-フォルミン複合体、アクチン線維端、アクチン線維上のコフィリン結合クラスタ境界の構造解析のための負染色法による条件検討を行った。通常の透過型電子顕微鏡よりも像のひずみがすくなく、構造解析が小数の像で済むことはわかっているが、アクチン-フォルミン複合体はフォルミンの形が一定でないことが確認され、走査透過型電子顕微鏡をもってしてもかなり多くの像が必要であることがわかった。アクチン線維端については良好な条件が得られつつある。コフィリン結合クラスタについては、結合クラスタのB端側境界は、コフィリン結合の影響はコフィリン結合領域に限られそうであるという感触を得ることが出来た。一方P端側境界は多く観察することができず、コフィリンによる線維切断が起きにくいといわれている低pH条件でも、結合クラスタP端側境界はほぼ切断されていることが示唆された。得られた少数の像については、コフィリンの結合が、コフィリン非結合領域まで構造変化をもたらしているらしい様子が見られたが、まだ3例しかなく、観測条件の更なる検討が必要である。また、同時に走査透過型電子顕微鏡のクライオ法への適用に挑戦している。日立ハイテクとの共同研究で、クライオホルダの開発を行っているが、温度ドリフトが大きい。当面は、ホルダの開発とともに、高速データ取込によるドリフトの影響の軽減を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度の目標は各対象の条件検討であった。これについてはさらなる検討が必要ではあるが、おおむね予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

アクチン線維端については、高分解能構造解析を目指す。他の対象についてはもう少し条件検討が必要であり、今後も継続する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [国際共同研究] Institut Curie(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Institut Curie
  • [国際共同研究] A*STAR/National University of Singapore(シンガポール)

    • 国名
      シンガポール
    • 外国機関名
      A*STAR/National University of Singapore
  • [雑誌論文] Helical rotation of the diaphanous-related formin mDia1 generates actin filaments resistant to cofilin.2018

    • 著者名/発表者名
      Mizuno, H., Tanaka, K., Yamashiro, S., Narita, A. & Watanabe, N.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A

      巻: 115 ページ: E5000-5007

    • DOI

      pnas.1803415115

    • 査読あり
  • [学会発表] アクチン線維および関連タンパク質のクライオ電子顕微鏡法による高分解能構造解析2019

    • 著者名/発表者名
      成田哲博
    • 学会等名
      岐阜構造生物学・医学・論理的創薬シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] アクチン線維および関連タンパク質の高分解能構造解析2019

    • 著者名/発表者名
      成田哲博
    • 学会等名
      構造生物学研究会 大阪大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of cryo-electron microscope for simultaneous STEM, SEMimaging2018

    • 著者名/発表者名
      Azuma J., Nagakubo Y., Tamba Y., Sato H., SunaoshiT., Tamochi R., Ose Y., Uuskura J., Narita A., Matsumoto T., Usukura E., Osumi M.:
    • 学会等名
      第74回日本顕微鏡学会学術講演会
  • [学会発表] アクチン線維構造解析と新しい電子顕微鏡法2018

    • 著者名/発表者名
      成田哲博
    • 学会等名
      第79回応用物理学会秋季学術講演会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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