上皮組織は、異なる環境を分けるバリアとして働く。このバリア機能はタイトジャンクション( TJ )と呼ばれる細胞間接着装置によって担われる。 TJは生体内におけるバリア機能に必須の役割を果たしており、その分子構築については精力的に研究が行われてきたが、TJがどのようにして形成されるかについては未だにほとんど不明であった。我々は、マウス上皮組織由来の分泌液中にTJ形成を誘導する液性因子が存在することを見出し、新規ペプチドを同定した。本研究では、このペプチドの培養上皮細胞におけるバリア形成の評価、炎症モデルに対する投与の効果を検証するとともに、その産生メカニズム・作用メカニズムを明らかにした。
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