研究課題
植物の根・葉・花などの器官は、細胞間または組織・器官間におけるオーキシンの分配制御によって、局所的にオーキシンが蓄積する部位に形成される。本研究は、植物器官形成の開始位置を決定する局所的なオーキシン蓄積の確立機構を解明することを大きな目的として、側根形成の開始頻度が顕著に低下するシロイヌナズナfewer roots(fwr)変異体の原因遺伝子として同定した低分子量ADP-ribosylation factor (Arf) GTPaseのグアニンヌクレオチド交換因子(Arf GEF)GNOMに注目し、申請者らが独自に単離したfwr変異体と、fwrの側根形成能を回復させるfspサプレッサー変異体シリーズを用いた生理学的・発生学的・生化学的解析により、側根形成の開始におけるGNOMを介した局所的オーキシン蓄積の確立機構を明らかにする。2020年度の主な成果を以下に示す。1)fsp1変異体の原因遺伝子SUR2/ CYP83B1の発現パターンを解析するためのレポーター系統を作出し、SUR2/ CYP83B1が葉脈、胚軸下部、根の内鞘細胞および静止中心で発現していることを明らかにした。2)内生オーキシン(IAA)量の分析とオーキシン応答性DR5:LUC レポーターを用いた解析から、fsp1 fwr二重変異体では、fsp1変異によって引き起こされる過剰なIAA合成により側根創始細胞の形成がfwr背景で起こることが強く示唆された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.research.kobe-u.ac.jp/fsci-fukaki/fukaki/fukaki_laboratory.html
http://www.edu.kobe-u.ac.jp/fsci-biol/faculty/fukaki.html