植物と微生物の関係性は環境条件に応じて大きく変わるものの、背景にある分子機構の解明は遅れている。共生菌に依存する低リン条件における免疫制御機構の解明を進めた本研究は、栄養環境情報にもとづき植物が免疫・共生制御を行う仕組みの解明に先鞭をつけ、国内外で求められている植物・微生物・環境の三者相互作用研究に重要な貢献を果たした。同時に、野外環境で実効性の高い病害抵抗性作物や共生菌制御技術を開発する上で有意義な情報を提供した。本成果は、植物の環境適応機構を活用して、環境変動に耐える頑強な作物の作出や効率的な共生菌・土壌栄養利用を可能にし、持続可能な食料生産システムの構築に貢献するものである。
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