研究課題/領域番号 |
18H02483
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
杉 拓磨 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 助教 (70571305)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 線虫C. elegans / ストレス応答 |
研究実績の概要 |
動物は多種多様なストレス刺激に曝されている。それらのシグナル伝達は同じリン酸化酵素や転写因子を経由するにも関わらず 、混線せず各刺激に対応した異なる応答を示す。このことから、どのように単一の生体分子が複数のストレス刺激を区別し、異なる応答に特異的に対応づけているのか、という「ストレス応答経路の特異性」の問題が考えられる。本研究では線虫C. elegansの行動遺伝学的解析と生化学的解析、工学的アプローチ、数理解析を応用し、個体のストレス応答機構の特異性制御の実体を明らかにする。具体的には(1)各ストレス刺激からp38の活性変動パターンへのコーディングと(2)p38の活性変動パターンから下流応答へのデコーディングをそれぞれ解析し、ストレス応答経路の特異性の問題を解決することを目的としている。計画(1)については、本年度のイメージング計測により、p38の活性について概ねデータの取集を終えた。また、現在、イメージング用の顕微鏡を改良し、三次元で複数の細胞の活性を計測可能にするよう試みている。この顕微鏡を完成させることにより複数の細胞の活性を同時計測し、細胞間相互作用による活性の影響を検証する。一方で計画(2)については、昨年度は大きな進展がなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画1)については概ね順調にデータ収集が行えたことから概ね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
計画1)については、三次元で複数の神経細胞の活性変動を捉えるためのシステムの完成を目指す。計画2)については、昨年度大きな進展がなかったことから、本年度のメインのプロジェクトに据える。具体的にはp38の活性変動パターンの違いが異なる下流の遺伝子セットを発現誘導するかどうか、またp38と下流遺伝子発現の変動パターンの類似性等の相関関係を解析する。そこで、各ストレス刺激過程における遺伝子発現変動を網羅的にマイクロアレイ解析する。
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