本研究では、後肢の位置の異なる様々な動物胚を用いてGdf11の機能メカニズムを調べることで、脊椎動物の後肢の位置の多様性を生み出すメカニズムを解明する事を目的とした。Gdf11は予定後肢領域である側板中胚葉では発現せず、脊椎骨の原器である前体節中胚葉の末端で発現していた。Gdf11 が発現すると、そこに仙椎が形成されると同時に、後肢の形成も誘導することが分かった。Gdf11の発現開始タイミングは種によって異なり、これにより脊椎動物に後肢の位置の多様性が生み出されることが分かった。この発現開始タイミングの違いを誘導するメカニズムとして種特異的なエンハンサー領域の存在が示唆された。
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