研究課題/領域番号 |
18H02492
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小薮 大輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科(歯系), 非常勤講師 (60712510)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頭蓋 |
研究実績の概要 |
本年度はマイクロフォーカスX線CT(島津製作所inspeXio SMX-90CT Plus)を用いてこれまでに申請者が収集してきた1028標本の胚標本の大量連続撮影をおこなった。本年度はコウモリ、ブタ、イヌ、ネコの撮影が主となった。Amiraソフトウェアを用いてこれらの三次元再構築作業をアルバイトを雇用しつつ遂行した。再構築作業を行ったセグメンテーションデータについて、骨格、筋、神経を中心とした比較解剖学的な観察記載を進めた。加えて、コウモリ、ブタの頭部組織切片を作成し、HNK1、MyoD、アセチル化チューブリンモノクローナル抗体による免疫染色とアザン染色を行った。組織切片をAmiraでアライメントを行ったのち三次元再構築し、胚における脳・神経・骨格・筋・血管の精確な三次元形態モデルを作成した。これによってコウモリとブタの胚生期における各パーツの立体的な相互配置、発生に伴う骨成長、骨の縫合閉鎖パターンを把握することに成功した。さらにIhh、 Ptch1、Sox9をマーカーとしてin situ ハイブリダイゼーションを行い、骨の縫合閉鎖の座標の記載を行った。これと並行して、カメおよびニワトリの胚を入手し、PFA固定、カルノア固定によって標本の固定を行った。また、予察的分析結果について、チェッコで開催された国際脊椎動物形態学会およびプーケットで開催された国際コウモリ類研究会議に参加して口頭発表を行い、関連分野の研究者と討議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2月以降は新型コロナウイルスの影響で実験実施に支障も出始めたが、年間を通じては本課題に関わる論文発表も進めることができ、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
CT撮像まだ完了していない標本は免疫染色とin situハイブリダイゼーションに供せないため、未撮影個体をできる限り早期に撮影を完了させる。撮影が済んだものは順次免疫染色とin situハイブリダイゼーションをおこなっていく。Amiraによる作業はかなり時間が掛かるものの単純作業であるため、ワークステーションの追加導入とともに学生アルバイトを雇用して作業効率向上を図りたい。新年度はin situハイブリダイゼーションが本格化する予定である。
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