研究実績の概要 |
018年6月にニューカレドニアを訪れ、海外共同研究者の研究機関で栽培されている植物個体から ゲノム解読用のサンプルとしてOxera pulchella subsp. grandiflora, O. neriifolia subsp. neriifolia, O. pancheri, O. sulfurea, O. palmatinervia, O. bravicalyx, O. balansae, O. baladicaをえた。2018年11月にはニューカレドニア本島南部を中心に集団解析用の解析試料を採集した。 Oxera属植物の新規全ゲノム解読はOxera balansaeを対象に行なった。正確性には劣るがロングリードの読み取りが可能なMINionシーケンサーと、正確で大量のデータは得られるがショートリードの読み取りが可能なIlluminaシーケンサーを組み合わせることで、N50 = 0.5M 程度のゲノム解読を行うことが出来た。全ゲノム情報をもとにO. balansae, O. baladica, O. sulfrea, O pulchell subsp. grandifloraの4種について、過去数百万年間の個体群サイズの変動(デモグラフィー)をPSMC法によって復元した。その結果、これらの種は、四国程度の面積の島に生育しているものの、生活型や生育地が異なった種は個体群動態が大きく異なるという興味深い事実が明らかになった。 集団解析としては、Oxera rugosa、O. pulchella、O. pancherii、O. palmatiberviaの4種を対象としてゲノム縮約解読を行い、現存する個体群の遺伝的多様性、個体群間の遺伝的分化、分類群間の系統関係を明らかにした。これらのうち2種では、隠蔽種の可能性のある明瞭に異なる遺伝的組成をもつ個体群を発見した。
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