研究課題/領域番号 |
18H02504
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
甲山 隆司 北海道大学, 地球環境科学研究院, 名誉教授 (60178233)
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研究分担者 |
野田 隆史 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (90240639)
金子 正美 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (00347767)
相場 慎一郎 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (60322319)
久保 拓弥 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (80344498)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生物群集 / 個体群動態 / 生活史特性 / 機能形質 |
研究実績の概要 |
(I) 野外調査: (I-1) 屋久島・照葉樹原生林の永久調査区の観測を行った。(I-2) 苫小牧の落葉広葉樹二次林調査区(1-ha)の20年目の再測を行った。また、苫小牧の常緑針葉樹・落葉広葉樹混交原生林調査区(4-ha)の22年目の再測を行った。 (II) データ解析: (II-1) 複数の森林プロットの長期観測データを用いて、個体成長による地上部現存量生産速度の推定を行い、種間変異を考慮しない場合の推定誤差を定量的に示した。ヒマラヤのAbies spectabilis個体群を対象に、個体レベルの幹直径(D)と樹高(H)データと、年輪解析によって得た幹直径成長から、集団平均のD-H曲線を用いて過去のHを個体毎に推定し、成長による現存量生産速度を推定する方法を開発し、論文発表した。(II-2) 函館の日浦海岸の潮間帯フジツボ群集の継続調査区において、1993年から1996年の間に撮影された写真画像を用いて、フジツボ2種の個体群の時間変化を記録する手法を確立した。 (III) 理論解析: 森林レベルの生産速度の、構成種間での分割特性を、熱帯多雨林と温帯林の観測データに基づいて解析し、種現存量と回転率の間に負のベキ乗関係が成立することを見出し、ベキ係数値の根拠を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
森林プロットの再測定や潮間帯群集の写真解析を予定通り実施し、解析結果の論文・学会発表を逐次進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の実績・成果に基づき、当初計画に沿って進めるとともに、以下の2項目に注目して解析を行ない、研究の推進を計る。 (i) 樹木個体間の形態形質変異の定量化に際して、集団レベルの拡張相対成長関係で用いられてきた複数モデルの間の関係を理論的に整理し、モデル・パラメータに基づく個体変異の定量化のベースを構築する。 (ii) 個体間の機能形質変異が遺伝変異によるものか否かを解析するために、複数の多型マーカーが開発されている北海道自生の複数の低木種について、集団内個体間の形質変異と遺伝子多型の相関を調べる。
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