グッピーは、個体ごとにオスの体色および、それを基準としたメスの配偶者選好性に著しい多様性が維持されている。本研究では、野外集団において、交配前および交配後の雌の選好性によって選択されたオスのゲノム領域を特定することを目的とした。解析の結果、各集団で402~434個の候補遺伝子が検出された。候補遺伝子の中には、シグナル形質(体色・鰭)や生存力(免疫・抗酸化)に関する遺伝子がいくつか検出された。免疫および抗酸化に関わる遺伝子は、子どもの生存率向上に関わるgood geneの可能性がある。本研究によりメスの配偶者選好性の進化に関わった可能性のある候補遺伝子を得ることができた。
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