研究課題
低圧低酸素での血管拡張と低温での血管収縮という相反する循環調節が必要な環境下における体温調節・循環調節反応とその調節メカニズム等ついて明らかにするため、2019年度実施の低圧低酸素・寒冷曝露実験(Ex3)のデータをまとめ、その解析結果に基づいて環境条件や測定項目を改変した低圧低酸素・寒冷曝露実験(Ex4)を実施した。Ex3から低圧低酸素で誘発される頭部の血管拡張は寒冷で相殺されず、頭部への血液供給増加の可能性が示唆された。しかし19℃の弱い寒冷刺激であったこと、脳血流や心拍出量を測定する必要性から、実験条件やプロトコルを改変し測定項目を追加したEx4を実施した。Ex4では、成人男性9名を対象に、気温28℃湿度50%で60分間の仰臥位安静後、気圧を高度3500m相当(約690hPa)まで30分間かけて変化させ、その20分後から75分間かけて16℃まで気温低下する条件(HC)と常圧環境で気温を16℃まで低下する対照条件にて、Ex3の測定項目に加え心拍出量、脳血流量等を測定した。低圧低酸素誘発の血管拡張は寒冷下でも体幹や前腕で生じたが、手指は寒冷の影響が強く血管収縮したことから、動静脈吻合の多い部位で血管収縮が生じやすいこと、HC2で心拍出量と収縮期血圧が低下したことから静脈還流が低下していたことを明らかにした。この条件での低圧低酸素・寒冷曝露では、深部温維持は可能だが循環反応に大きな影響を及ぼすこと、その反応の程度には個人差があることを明らかにした。また低圧低酸素環境への短期間の繰返し曝露による適応的変化を明らかにするために、成人男性6名を対象に、中立温で気圧約690hPaへの75分間の曝露実験を5日間連続で行い、心拍間隔、SpO2等を測定した。低圧低酸素下で交感神経活動優位であること、SpO2の変化に対する心拍間隔の変化が個体間で大きく異なり、連続曝露で変化したこと等から、化学受容器感受性の適応的変化とその個人差が関与している可能性を明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Physiological Anthropology
巻: 39 ページ: -
10.1186/s40101-020-00237-7
Frontiers in Genetics
巻: 11 ページ: -
10.3389/fgene.2020.559074