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2020 年度 実績報告書

哺乳類中枢シナプス伝達・短期可塑性メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H02530
研究機関同志社大学

研究代表者

坂場 武史  同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードシナプス
研究実績の概要

本年度は以下のような項目について研究をおこなった。
(1)小脳苔状線維シナプスは高頻度刺激に対して伝達物質放出を持続的に維持することができる。この高速かつ持続的な伝達物質放出のメカニズムを探るため、単離シナプス終末標本に膜電位固定法と全反射蛍光顕微鏡技術を適用し、シナプス小胞の動態を観察した。calyx of Heldシナプスや海馬苔状線維シナプスと異なり、シナプス小胞が形質膜に接着してから伝達物質放出可能になるまでの時間(priming time)が高速であり、これにより、持続的な伝達物質放出が可能になっていることが示唆された(Miki et al., 2020, PNAS)。
(2)海馬苔状線維シナプスでシナプス前終末内のcAMP濃度上昇に対して数分以内にCaチャネルクラスターが拡大し、これにより伝達物質放出量が増大することが電気生理学と超解像光学顕微鏡を組み合わせて明らかになった(Fukaya et al., 2021, PNAS)。
(3)海馬苔状線維シナプスの伝達、短期可塑性メカニズムを調べるため、caged Caを用いて伝達物質放出のCa依存性を調べた。伝達物質放出のCa依存性はほかの中枢シナプスと変わりがなく、伝達物質放出効率の低さはCaチャネルと伝達物質放出部位との緩いカップリングのためであることが示唆された。放出部位付近のCa濃度は5μM程度でほかのシナプスの半分以下であった。この濃度付近は、伝達物質放出がCa濃度にべき乗に比例し、わずかなCa濃度上昇が伝達物質放出の顕著な増大をもたらす。これが可塑性のメカニズムを解く手がかりになるのではないかと示唆された。引き続き、苔状線維シナプスのCa依存性伝達物質放出を詳細に調べることにしている。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ベルリン自由大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ベルリン自由大学
  • [雑誌論文] Rapid Ca2+ channel accumulation contributes to cAMP-mediated increase in transmission at hippocampal mossy fiber synapses2021

    • 著者名/発表者名
      Fukaya Ryota、Maglione Marta、Sigrist Stephan J.、Sakaba Takeshi
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 118 ページ: e2016754118

    • DOI

      10.1073/pnas.2016754118

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Direct imaging of rapid tethering of synaptic vesicles accompanying exocytosis at a fast central synapse2020

    • 著者名/発表者名
      Miki Takafumi、Midorikawa Mitsuharu、Sakaba Takeshi
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 117 ページ: 14493~14502

    • DOI

      10.1073/pnas.2000265117

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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