哺乳類中枢シナプスの伝達、可塑性メカニズムを明らかにするため、海馬苔状線維-CA3シナプスの前後部記録を中心技術として研究をおこなった。①伝達物質放出のCa依存性を調べたところ、ほかの中枢シナプスと差がなかった。伝達物質放出確率の低さはCaチャネルクラスターと伝達物質放出部位の緩いカップリングによるものであることがわかった。②短期・長期シナプス可塑性と関連するcAMP依存性伝達物質放出量の増大は、Caチャネルが集積することによってCaチャネルクラスターが拡大し、伝達物質放出部位付近の局所Ca濃度が増大するためであることがわかった。
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