研究課題/領域番号 |
18H02533
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
若林 孝一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
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研究分担者 |
丹治 邦和 弘前大学, 医学研究科, 助教 (10271800)
三木 康生 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30709142)
森 文秋 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60200383)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シヌクレイノパチー / オートファジー / モデル動物 / レビー小体病 / 多系統萎縮症 |
研究実績の概要 |
近年、新たな技術開発により、シヌクレイノパチーの病態解明が進んでいる。特にこれらの技術によってパーキンソン病(PD)およびレビー小体型認知症(DLB)における異常αシヌクレインと、多系統萎縮症(MSA)の異常αシヌクレインを区別することが可能となった。これまでにMSA由来の異常αシヌクレインは、レビー小体病(PDおよびDLB)由来のものと比較して、より広範に伝播することが知られている。しかし、αシヌクレインの構造変化だけでは、その伝播様式の違いを説明するには不十分である。今回、MSA患者7例、PD5例、DLB4例および正常対照5例の剖検脳組織を用い、リン酸化αシヌクレイン抗体を用い免疫電顕を行った。 MSAのグリア細胞質内封入体および神経細胞質内封入体では異常フィラメントに加え、リン酸化αシヌクレイン抗体で標識される小胞構造が観察された。それらは、グリア細胞で57.6%、神経細胞で67.8%という高い標識率を示した。これらの所見から、MSAではαシヌクレインの細胞質から核への輸送に小胞が関与していること、さらに、小胞の膜上でαシヌクレインの凝集が起こっている可能性が考えられた。一方、電顕的にレビー小体も少量の小胞を含む線維性構造物であり、このことは本研究でも確認された。しかし、レビー小体の小胞におけるリン酸化αシヌクレインの標識率はMSAの標識率に比べ数%未満と低かった。この違いは、MSAとレビー小体病における異常フィブリルの凝集性や伝播性、細胞毒性の違いを反映している可能性がある。 さらに、MSAモデルマウスにトレハロースを経鼻投与すると行動学的に病態が改善することを確認した。今後、「新規タンキラーゼ阻害剤」や「蛋白質の凝集制御」と「トレハロースの経鼻・経口投与」の併用により、シヌクレイノパチーの治療法開発を目指す。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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