神経変性疾患を引き起こす原因遺伝子の変異は数多く同定されているが、神経が変性に至るメカニズムは不明なことが多い。本課題では、病型ごとに変性する細胞が異なる原因を研究するため、患者由来のiPS細胞を用いて、病気でダメージを受ける細胞を作製し、これを様々な条件で培養することにより、何が細胞の脆弱性に関与しているのかを調べたものである。本実験の結果、培養条件が多少悪くてもダメージを受けない細胞がいること、通常なら問題にならない程度の条件でもダメージを受けやすい細胞がいることを明らかにすることができた。神経変性疾患で特定の細胞のみが影響を受ける機序を解明するin vitroモデルになると考えられる。
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