シナプス・スパイン動態の研究からミクロ (sub-μm) スケールの神経可塑性については特に記憶・学習の文脈で膨大な知見があるが、領域間をつなぐようなマクロスケール (supra-cm) の大域的な神経回路は発達後には不変と見なすのがカハール以来の伝統だった。本研究は成熟した哺乳類の神経回路がマクロスケールで再編成しうることを明らかにし、シナプス前後の神経細胞の種類を特定することに成功した点でパラダイムの転換を含む。これは将来的に脳機能の制御や失われた脳機能を回復させるための新たなイノベーションの基盤となり得る。
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