異種の脂肪族アルデヒドを直接的かつ触媒的に炭素ー炭素結合で連結する不斉交差アルドール反応は、キラルな 1,3-ジオールを不斉構築する最も有望な方法の一つである。本研究は、アルデヒドのわずかな反応性の差を触媒により識別することで、この交差アルドール反応を精密に制御することを目的に実施した。その結果、アニリン性の酸塩基触媒を用いると、基質に制限はあるものの、脂肪族アルデヒド間の直接的な不斉交差アルドール反応が可能になることを明らかにした。また、この知見を非対称脂肪族ジケトンの分子内不斉交差アルドール反応に展開した。
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