国民の半数が何らかのアレルギー疾患を有するといわれており、その原因となるマスト細胞からのアレルギー誘発物質の分泌機構を明らかにすることは重要である。我々はこの分泌に必須である細胞内Ca2+濃度上昇を担うCa2+チャネルOraiの一つであるOrai2がアレルギー誘発物質を貯蔵・分泌する分泌顆粒膜に発現することを見出した。そこで、分泌顆粒が細胞内Ca2+ストアとして働き、分泌を増強する可能性を検証した。マスト細胞の刺激に伴う分泌顆粒内のCa2+濃度の減少は観察されなかったが、そのために開発した分泌顆粒内Ca2+濃度を測定するプローブは他の分泌細胞にも適用でき、分泌機構解明に役立つことが期待される。
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