研究課題
生体や細胞は内外環境からのストレスの種類・強度に応じて、ストレス応答シグナルの活性化の長さ・強さなどのバランスを微調整し、そのストレスに対して適切な応答を誘導することで生体恒常性を維持しており、その破綻が癌・免疫疾患等の様々な疾患の発症原因となる。最近の我々の研究から、このストレス応答シグナルのバランスが、シグナル分子に対するリン酸化・ユビキチン化・メチル化などの多様な翻訳後修飾の相互作用(クロストーク)を介して厳密に制御されることが分かってきた。本研究では、細胞死や炎症などの重要な生理応答が適切に誘導されるためには、多様な翻訳後修飾のクロストークが不可欠であることを実証し、その破綻による様々な疾患発症の分子機構の解明を目的としている。現在までに、ストレス応答シグナルに中心的役割を果たすキナーゼなどのシグナル分子やストレスを感知するセンサー分子に対する翻訳後修飾を介して、ストレス応答シグナルが厳密に微調整されること、またストレスの種類や強度に応じて、リン酸化やユビキチン化だけでなくSUMO化やメチル化等の多様な翻訳後修飾がクロストークし、協調してシグナル分子の活性化制御を行うこと、さらに、これらの翻訳後修飾が細胞死や炎症等の生理応答の誘導にとって不可欠であり、その異常が癌や自己免疫疾患の本質的原因となる可能性を明らかにしてきた。このような成果を基盤に、上記の疾患に対する新規治療戦略や創薬標的を提案したい。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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