様々な内外環境ストレスに適応し、細胞死や炎症などの適切なストレス応答を誘導することで、生体や細胞はその恒常性を維持しているため、ストレス応答シグナルのバランスが破綻すると多様な疾患に陥る。本研究において、ストレス応答シグナルのバランス制御が、キナーゼのようなストレス応答シグナル分子に対する、ユビキチン化等の多彩な翻訳後修飾のクロストークで実際に制御・微調整されることを見出し、そのユビキチン化酵素やキナーゼ分子の異常が癌・自己免疫疾患等の発症に結び付く可能性を示せた点は、それらの疾患の原因解明と具体的な新規創薬標的分子の特定に繋がり、新規疾患治療戦略の提言を可能とする重要な研究成果である。
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