特に哺乳類細胞では、浸透圧という物理量がどのような分子メカニズムで感知され、生理応答につながるか未解明な部分が残されているが、本研究によりリン酸化シグナル伝達、遺伝子発現、細胞代謝という複数の階層における浸透圧応答メカニズムが明らかになった。近年、高食塩食は高血圧のみならず、自己免疫疾患など炎症性疾患の増悪要因になることがわかりつつあるが、本研究の結果は、高食塩食のような体内浸透圧環境が変化するストレスが生体にどのように影響を与えるか理解し、薬などにより悪影響を取り除くための基盤的知見になると期待される。
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