研究課題/領域番号 |
18H02576
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
牛首 文隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50243035)
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研究分担者 |
今道 力敬 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00570194)
柏木 仁 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60510609)
結城 幸一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80302420)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プロスタノイド |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、進行すると肝硬変や肝がんの発症リスクが高い。本邦において、NASH 患者は 200 万人以上と推定されているが、十分なエビデンスを持った薬物療法は、未だ確立されていない。プロスタノイドは、プロスタグランジン(PG)とトロンボキサンより成る生理活性脂質である。その中でPGI2は、その受容体であるIPを介して非常に多彩な作用を示す。本研究では、高脂肪食負荷によりヒトに近いNASH病態を発症するメラノコルチン4受容体(MC4R)欠損マウスと、プロスタノイド受容体欠損マウスをかけ合わせたダブル欠損マウスを用いる。今年度は、高脂肪食をウェスタンダイエットに変えて解析をおこなった。20 週間のウェスタンダイエット負荷を施行したところ、精巣上体周囲脂肪/体重比については、MC4R/IPダブル欠損マウスにおいて MC4R 欠損マウスより有意に低値を示した。さらに、肝重量/体重比、血中トランスアミナーゼALT値は、匹数が少なく有意差は認められないが、MC4R/IPダブル欠損マウスにおいて MC4R 欠損マウスより低値を示した。しかし、組織学的解析による線維化の程度については、大きな差を認めなかった。一方、4~6週のウェスタンダイエット後に四塩化炭素投与を併用することにより、四塩化炭素投与10日でNASH様症状を示す短期間NASHモデルについても解析をおこなった。まだ匹数が少ないが、四塩化炭素投与後、1日で両群とも著明なALTの上昇を認め、その後下がっていくが、MC4R/IPダブル欠損マウスにおいては、四塩化炭素投与10日で再度ALTの上昇を認めた。さらにシリウスレッド染色をおこなった結果、線維化の程度がMC4R/IPダブル欠損マウスにおいてMC4R欠損マウスよりも進んでいるようであった。さらに匹数を増やして解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新動物実験施設が完成し、凍結胚から使用マウスを起こし直すなどにより動物を使用再開するまでに時間がかかり、使用動物数が減ったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究実施計画に沿って実験を進める。
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