研究課題
[1]モデルラットを用いた検討:本研究計画中において作成構築に成功した慢性腎臓病モデルラットを用い、陰性対照としてタクロリムスのみの連続投与を行い、実験群として病態作成当初からのmTOR阻害薬(エベロリムス)投与群、また2週間タクロリムスのみを投与したのちにエベロリムスの投与を開始するグループを比較した。その結果、予防群、治療群いずれにおいても腎組織で見られた高度な線維化の抑制(治療)効果が認められた。[2]腎移植患者腎組織中のタクロリムスならびにその一次代謝物、エベロリムス の蓄積量、CYP3A5遺伝子多型、タクロリムスおよびエベロリムス の血中濃度推移と急性拒絶反応または腎組織病変の進行との比較解析を進めた。ドナー由来の腎組織中に蓄積するタクロリムスはCYP3A5活性に加えて血中濃度の影響も強く受けること、組織中エベロリムス 濃度の測定についても実施可能となったが、臨床的重要性については、未だ不明点の多いことが示された。また、腎移植症例については、タクロリムスに比してエベロリムス の血中濃度の安定性が高い傾向が認められ、外来管理におけるエベロリムス 血中濃度モニタリングの新たな活用法、すなわち拒絶反応抑制に加えて患者のアドヒアランス確認にも応用可能であることが示唆された。[3]肝移植患者については、mTOR阻害薬の導入が移植4週目以降ということが定められていることから、実施症例数の積み重ねを中心に行った。外来導入が主となる肝移植患者においては、自宅観察中に散見される有害反応(口内炎等)のため、患者自身が服用を中止する事例が複数存在することから、用量調節の困難なことが示された。そこで、タクロリムスとエベロリムス のトラフ濃度について、合わせて10ng/mL前後というpracticalな目標の設定を提示した結果、一部の患者においては良好な治療経過をたどることが観察された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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