研究課題
MG23に関する研究: ほぼ正常に生育するMG23欠損マウスでは、抗癌薬ドキソルビシン心毒性に抵抗性が観察されている。この心毒性には直接的な心筋細胞への薬物作用とともに、マクロファージを仲介する間接作用も関与すると考えられている。MG23欠損心筋細胞における小胞体Ca2+ハンドリングを検討したが、顕著な異常は観察されなかった。そこで、MG23欠損マウスにおけるマクロファージの心臓浸潤やCa2+ハンドリングの検討を現在遂行中である。マクロファージのCa2+イメージング法を確立する予備実験において、3種のTRPチャネルがマクロファージのCa2+流入に寄与していることが副次的に判明した(Cell Calcium in press)。TRICチャネルに関する研究: TRIC-A欠損マウスを利用した共同研究により、TRIC-Aによる心筋型リアノジン受容体(RyR2)の活性化の生理的役割が明らかになった。TRIC-AによるRyR2機能促進が失われると小胞体Ca2+過剰負荷が発生し、長期ストレス条件下ではTRIC-A欠損心筋細胞は細胞死が亢進する。さらに、TRIC-A欠損心臓ではアドレナリン刺激時に心拍が不安定となるが、洞房結節ペースメーカーの調律異常に起因する(PLOS One 15, e0244254, 2020)。これらの心臓機能異常を誘引する分子基盤として、TRIC-AのC末端のペプチドがRyR2に直接相互作用して、RyR2開口を促進することを示唆する結果も得られた(Circ. Res. 126, 417-435, 2020)。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Cell Calcium
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.ceca.2021.102381.
Circ. Res.
巻: 126 ページ: 417-435
10.1161/CIRCRESAHA.119.316241.
PLOS One
巻: 15 ページ: e0244254,
10.1371/journal.pone.0230465. eCollection 2020.
https://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/biochem/