RNAには様々な化学修飾が施されており、転写後遺伝子発現に重要であることが知られているが、RNAの代謝によって生じる修飾を含む塩基(以後、修飾ヌクレオシド)の生理意義については未解明であった。本研究はヒトを含む様々な生物種の細胞外液で存在する修飾ヌクレオシドの受容体活性能を調べたところ、修飾ヌクレオシドのうち、N6-methyladenosine (m6A)がアデノシンA3受容体に対する高い活性を有していることを発見した。その活性能は未修飾のアデノシンの約10倍以上も強力であった。また、m6Aは生体内で肥満細胞に作用し、Ⅰ型アレルギー反応や炎症性サイトカインの産生を誘導することを明らかにした。
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