研究課題
本研究では、CDH1座へのp53結合依存的・非依存的上皮integrity維持機構に焦点をあて、同様なことが正常上皮細胞や個体でも見られるのか、もしくは、不死化や癌化過程ではじめて誘起されるものなのかを明らかにし、その生物学的意義を解明するものである。①ヒト正常乳腺上皮細胞での検討HMLEはヒト乳腺上皮細胞(HMEC)をSV40 large T antigen(LT)とhuman telomere reverse transcriptase(hTERT)によって不死化したものである。HMLEは不安定な形質を示すことが知られているが、複数の細胞cloneを調製し(一部、R. Weinbergから入手)、p53結合依存性cloneとp53結合非依存性cloneが存在することを見出した。そこで、不死化していないHMECでもこのような多様性が存在するかを確認している。単一細胞解析は困難であり、HMEC(市販品)をcloningし、それぞれのcloneから上皮integrity維持機構多様性が存在するか否かの調査を行った。②上皮integrity多様性の分子基盤RNA-Seq解析、CDH1座の当該ヒストン修飾状態、さらにはヒストン修飾の元となる細胞内代謝等の解析によって、p53結合依存性あるいは非依存性に影響を与える要因や初発となる因子(群)の特定を行った。細胞内外の酪酸濃度に依存したCDH1座のヒストンアセチル化がp53結合性を決める要因の一つであることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
計画した研究に関連して、結果をまとめ、論文を執筆中である。
・これまでに得られた結果を論文としてまとめ、国際学会誌へ投稿する。・掲載が決まり次第、プレスリリース等を通じて社会に発信する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 116 ページ: 17450~17459
10.1073/pnas.1901765116
Cancer Management and Research
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10.2147/CMAR.S200819
http://g21001.med.hokudai.ac.jp/