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2018 年度 実績報告書

哺乳類始原生殖細胞におけるクロマチン高次構造と核内動態変化の分子的理解

研究課題

研究課題/領域番号 18H02613
研究機関京都大学

研究代表者

横林 しほり  京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (20615736)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード始原生殖細胞 / 哺乳類 / 多能性幹細胞 / in vitro誘導系 / クロマチン高次構造
研究実績の概要

生殖細胞は次世代へのゲノム情報の伝播を担う唯一の細胞系譜である。哺乳類では、生殖細胞の発生初期、即ち始原生殖細胞の発生期にゲノムワイドなエピゲノム変化(メチル化DNAの減少およびヒストン修飾の変化)が観察される。このエピゲノム変化は、おそらくその後の生殖細胞発生を完遂するために不可欠な分子イベントであると予想されるが、しかし生殖細胞発生過程において果たす役割の分子的理解は未だ不十分である。近年、マウス多能性幹細胞から始原生殖細胞(primordial germ cell; PGC)様細胞を誘導する系が報告され、さらに、研究代表者らはヒト多能性幹細胞からPGC様細胞を分化誘導する系を報告した。本研究では、これらの試験管内誘導系を用いて、始原生殖細胞発生過程におけるクロマチン構造を詳細に解析し、エピゲノム再編成とクロマチン構造動態との関係を分子的に理解することを目的とする。
平成30年度はマウス試験管内生殖細胞誘導系を用いて解析を行った。まず次世代シークエンス解析手法によりクロマチン構造を詳細に記述するため、PGC様細胞を用いてクロマチン因子群に対するChIPseqデータの取得を行なった。さらにオープンクロマチンを同定するため、改良版ATACseq法を適用しデータの取得を行った。現在、PGC様細胞からさらに誘導しうる各細胞種について、同様のデータ取得を計画していると同時に、クロマチン相互作用解析手法の適用に向けて準備中である。これらの種々のデータを用いてクロマチン構造を包括的に解析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在のところ、ChIPseqおよびATACseq法の最適化とマウスPGC様細胞への適用が概ね順調に進んでいる。現在準備中のクロマチン相互作用解析手法の最適化および適用も実現可能であると考えている。

今後の研究の推進方策

昨年度確立した解析手法、および現在確立中の解析手法を用いて、引き続きデータ取得を行う。これまでに報告されているトランスクリプトームおよびメチル化DNAデータ等と統合し、エピゲノム状態とクロマチン構造の関係を包括的に解析していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Reconstitution of Germ Cell Development In Vitro2018

    • 著者名/発表者名
      Shihori Yokobayashi and Mitinori Saitou
    • 雑誌名

      Cell Biology of the Ovary

      巻: 1 ページ: 1-19

    • DOI

      10.1007/978-981-10-7941-2_1

  • [雑誌論文] Generation of human oogonia from induced pluripotent stem cells in vitro2018

    • 著者名/発表者名
      Yamashiro Chika、Sasaki Kotaro、Yabuta Yukihiro、Kojima Yoji、Nakamura Tomonori、Okamoto Ikuhiro、Yokobayashi Shihori、Murase Yusuke、Ishikura Yukiko、Shirane Kenjiro、Sasaki Hiroyuki、Yamamoto Takuya、Saitou Mitinori
    • 雑誌名

      Science

      巻: 362 ページ: 356~360

    • DOI

      10.1126/science.aat1674

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27   更新日: 2023-03-20  

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