研究課題/領域番号 |
18H02631
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
塚本 善之 大分大学, 医学部, 助教 (00433053)
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研究分担者 |
平下 有香 大分大学, 医学部, 医員 (70771955)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
守山 正胤 大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胃癌 / 癌オルガノイド / 早期反応性マーカー / 抗がん剤 |
研究実績の概要 |
抗癌剤の効果は患者により異なる。無用な副作用を避けるためには、個々の患者に適した抗癌剤の選択が必須となる。癌オルガノイドを個々の患者の分身として培養することで、抗癌剤投与前に効果を予測することが現実的となった。そのためには癌オルガノイドを用いた迅速かつ正確な効果判定が課題となる。一方、代表者は抗癌剤処理後の早期反応性マーカー(ERM; Early Response Marker)による効果予測を提唱した。本研究は、癌オルガノイドとERMによる迅速かつ正確な抗癌剤効果予測システムの構築を目的とする。 昨年度は計画通り胃癌細胞株25株を用いて5-FU、シスプラチン、ドセタキセル、PI3K/mTOR阻害への感受性試験を実施し、高感受性群と低感受性群に分けてERMの探索を行った。さらに、シスプラチン、ドセタキセル、PI3K/mTOR阻害についてはERMの候補を同定するに至った。また、癌オルガノイド作製に着手し、数ラインではあるが樹立に成功した。 本年度はさらに癌オルガノイドの樹立数を増やし、10ラインの作製に成功した。全オルガノイドについて薬剤感受性試験を行い、50%増殖阻害濃度(IC50)の算出を終了した。さらに、シスプラチンのERMについてはウェスタンブロット法および細胞免疫染色法により癌オルガノイドにおいても薬剤処理後に検出可能であることが示された。一方で、我々は個体レベルでERMの検出が可能か検証するために癌オルガノイドの移植実験を行った。しかし、移植した4オルガノイド全てにおいて腫瘍形成が認められなかった。これについては来年度、高度免疫不全マウスを購入し、再度移植実験を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
癌オルガノイドの移植実験において腫瘍形成が認められなかった。コストを抑えるために中等度の免疫不全マウスを選択し、移植実験を行ったためであると考えている。移植に至るまでの手技は確立されたので、来年度は高度免疫不全マウスを購入し、再度移植実験を行い、個体での薬剤感受性試験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
早期反応性マーカー(ERM)の同定と癌オルガノイドの樹立は順調に進んでいる。来年度は計画通り(1)癌オルガノイドの樹立を進める、(2)各種抗がん剤について簡便かつ精度の高いERM検出方法を開発する、(3)In vitroでのERM検出法開発のためにまずは癌オルガノイドの安定した移植方法を確立する、そして(4)癌オルガノイドによるIn vitroでの感受性予測がどのくらい個体における感受性と相関するか明らかにする。本年度は中等度免疫不全マウスを用いて癌オルガノイドの移植実験を行ったが、それでは移植の成功率が低いことが分かった。本年度は高度免疫不全マウスを移植実験に用いる。 以上を達成することにより、癌オルガノイドと早期反応性マーカーを用いた迅速かつ精度の高い抗がん剤感受性効果予測法を確立する。
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