毛包は、哺乳類の毛を生やす小器官であり加齢に伴い脱毛を引き起こす。本研究では、老化した毛包幹細胞(HFSC)が、非定型の幹細胞分裂プログラムを引き起こすにより、再生能力を失うことを明らかにした。このタイプの分裂は、ヘミデスモソームタンパク質COL17A1と細胞極性タンパク質aPKCλの不安定化を伴い、毛包ニッチを再生する代わりに、表皮角化細胞を生成した。これらの分裂の繰り返しにより、HFSCは基底膜から剥離し、表皮に除去され、毛包老化が引き起こされた。これらのことから幹細胞分裂を中心とした毛包老化プログラムが存在することが判明し、その制御が加齢に伴う脱毛症の新規治療法に繋がることも期待される。
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