胸腺髄質は、中枢性自己寛容の成立に関わる領域である。髄質内で特徴的な角化した構造体「ハッサル小体」(HC)を構成する胸腺髄質上皮細胞を純化し、その遺伝子発現を解析したところ、HC構成上皮細胞は恒常的に細胞老化を来たし、CXCL5やIL-1ファミリーなどの炎症性分子を高発現していることが明らかになった。CXCL5受容体を発現する好中球をdepletionすると、胸腺内pDCの活性化とI型IFNの産生が抑制されたことから、SASPの一環として産生されるCXCL5に反応して胸腺内好中球がリクルート・活性化され、活性化好中球が胸腺内pDCの活性化を誘導する可能性が示唆された。
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