細胞外マトリックス変容の際に高発現するバーシカンとその分解産物バーシカインの生体内機能を明らかにする目的で、蛋白質分解酵素抵抗性バーシカンを発現するノックインマウスを作出し解析した。同マウスホモ接合体は一定数が胎生後期に臓器出血を呈して死亡すること、出生したマウスは合趾症を示すことがわかった。創傷治癒モデルと腸炎モデルにて解析した結果、ADAMTS群がバーシカンコア蛋白質の特定部位を切断することによって同分子が代謝されること、蓄積されたバーシカンはTGFβシグナルの亢進を通じて線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を促進する一方、代謝産物のバーシカインは当該の分化を抑制することが明らかとなった。
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