研究課題
1)HCV NS5Aの脱リン酸化機構の解析とゲノム複製-粒子形成過程スイッチングへの関与ウイルスタンパク質の可逆的リン酸化がウイルス増殖過程のコントロールに関与するかは全くと言ってよいほど明らかにされていない。C型肝炎ウイルス(HCV) NS5Aはゲノム複製と粒子形成両方を制御する重要因子であり、申請者はすでにCK-1alphaによるリン酸化がHCV NS5Aの機能に重要であることを見出している。NS5Aの脱リン酸化に働くセリンスレオニンプロテインホスファターゼを同定するため、試験管内転写・翻訳系で各プロテインホスファターゼを合成しNS5A結合性をin vitro AlphaScreenシステムで解析した。得られた3種類のNS5A結合性酵素についてNS5Aのリン酸化様式への関与、HCV産生への影響を培養細胞系で解析した結果、NS5Aの脱リン酸化酵素として、PPM (metal-dependent protein phosphatase)ファミリーの一種PPM1B variant 1を初めて同定した。PPM1B variant 1の強制発現によりHCV産生が低下することを示した。これによってNS5Aの可逆的リン酸化機構の存在が明らかとなった。動的リン酸化がウイルス増殖過程の進行を制御する仕組みの解析が期待される。2)HCV因子と相互作用しHCVゲノム複製から粒子形成過程制御に関与する新規宿主因子の探索と機能解析HCV感染によって発現が誘導されるRNA結合因子群の中から、HCV生活環の制御に関わる新規宿主因子を探索し、HCV感染によって発現亢進し、遺伝子ノックダウンによりHCV産生が劇的に低下する因子としてLaファミリータンパク質の1種LARP6 (La-related protein 6)を見出した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件)
FEBS letters
巻: 595 ページ: 220-229
10.1002/1873-3468.13975
Journal of proteome research
巻: 20 ページ: 1535-1543
10.1021/acs.jproteome.
Hepatology
巻: 73 ページ: 520-532
10.1002/hep.31308
Analytica chimica acta.
巻: 1110 ページ: 64-71
10.1016/j.aca.2020.02.020
Biosens Bioelectron
巻: 170 ページ: 112657
10.1016/j.bios.2020.112657
巻: 170 ページ: 112680
10.1016/j.bios.2020.112680
Scientific Reports
巻: 10 ページ: 17066
10.1038/s41598-020-74244-0
ACS Omega
巻: 5 ページ: 21940-21947
10.1021/acsomega.0c03269