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2020 年度 実績報告書

がん変異細胞の抗原提示と正常上皮細胞による認識排除機構

研究課題

研究課題/領域番号 18H02675
研究機関早稲田大学

研究代表者

丸山 剛  早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (30613872)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード上皮細胞 / がん変異細胞 / がんの予防的治療 / 細胞競合
研究実績の概要

原がん遺伝子Rasに変異を生じたがん化初期段階にある上皮細胞は、周辺正常細胞によって管腔側(体外へ排出される方向)へと押し出される(細胞競合現象)。しかし、どのようにして正常細胞ががん変異細胞を認識しているかは不明であった。最近、我々が独自に同定した正常細胞のタンパク質受容体ECARが、変異細胞において発現亢進する抗原提示関連細胞膜タンパク質ECAを認識することで、抗腫瘍能応答を惹起することを見出した。このことは、細胞競合現象において長らく不明であった細胞間相互作用シグナルの実体の一つを示すのみならず、非免疫細胞である上皮細胞が、異常細胞のMHC-Iを認識するという免疫細胞様のサーベイランス機構を有する、という新たな生体防御機構の発見である。
異常発生時を起点として正常上皮細胞は、a)がん変異細胞の物性を感知し、プライミングされる(ECARの発現誘導)、b)誘導されたECARによる変異細胞のECAの認識を経て、c)変異細胞に対する排除能を惹起する、という多段階機構であることを示してきた。例えば、正常細胞はがん変異細胞の硬さを感知することでRunx2を介して、ECARの発現が促進された状態へとプライミングされる。次に、RasV12の発現依存的に細胞表面での発現が促進されたECAをECARが認識する、これによりAltRはSHP2/ROCK2経路を介して細胞骨格形成因子を集積させることで変異細胞を上皮細胞層から排除する。加えて、ECARはCa2+シグナルを介して、周辺正常細胞群の偏向性移動を誘導することで、変異細胞の排除を促進する(偏向性移動)。このことから、ECA/ECARの相互作用はがん変異細胞に対する排除能を促進することで、がん変異細胞の発がんおよび腫瘍化を抑制していることを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] The COX-2/PGE2 pathway suppresses apical elimination of RasV12-transformed cells from epithelia.2020

    • 著者名/発表者名
      Sato N, Yako Y, Maruyama T, Ishikawa S, Kuromiya K, Tokuoka SM, Kita Y, Fujita Y.
    • 雑誌名

      Commun Biol.

      巻: 18;3(1) ページ: 132.

    • DOI

      10.1038/s42003-020-0847-y.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ZAK Inhibitor PLX4720 Promotes Extrusion of Transformed Cells via Cell Competition.2020

    • 著者名/発表者名
      Maruyama T, Sasaki A, Iijima S, Ayukawa S, Goda N, Tazuru K, Hashimoto N, Hayashi T, Kozawa K, Sato N, Ishikawa S, Morita T, Fujita Y.
    • 雑誌名

      iSicience

      巻: 24;23(7 ページ: 101327

    • DOI

      10.1016/j.isci.2020.101327.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] MHC-I認識による上皮細胞間コミュニケーション制御2020

    • 著者名/発表者名
      鮎川志優, 寺本龍平, 鴨下渚, 丸山剛
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] がん変異細胞排除のためのMHC-I/AltR相互作用を介した上皮細胞の偏向性移動2020

    • 著者名/発表者名
      寺本龍平,鮎川志優,鴨下渚,丸山剛
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [産業財産権] 細胞競合の制御剤2020

    • 発明者名
      2020
    • 権利者名
      2020
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT450
    • 外国

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公開日: 2021-12-27  

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