研究課題/領域番号 |
18H02679
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
後藤 典子 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (10251448)
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研究分担者 |
岡本 康司 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80342913)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
島村 徹平 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (00623943)
多田 敬一郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医長 (80271568)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 1細胞 / PDX / スフェロイド / トリプルネガティブ乳がん / IGF / セマフォリン / ニューロピリン |
研究実績の概要 |
乳がん臨床検体のトリプルネガティブタイプを用いて、patient-derived xenograft (PDX)を作成、ここからスフェロイド培養を継続的に再現性よく行える培養条件の検討を詳細に行った。結果、3検体において、再現性よくスフェロイド培養を行える条件が整った。これらを用いて、IGF1RとNP1に対する抗体を用いてセルソーティングを行い、再現性よくIGF1Rの高い細胞群と、NP1の高い細胞群を濃縮できる条件検討を行った。 2検体について、それぞれの細胞群を用いて、FluidumのC1 single cell-prep systemにより、1細胞を回収して、各細胞分画ごとに50-100個の微量RNAシークエンスを行った。同時に、それぞれの細胞群を用いて、エクソームシークエンスを行った。 現在新たにトリプルネガティブタイプ2検体について、PDX作成後、再現性よくスフェロイド培養が行えている。さらに、あとトリプルネガティブ2検体について、条件検討がすんだところで、それぞれの細胞群を用いて、FluidumのC1 single cell-prep systemにより、1細胞を回収して、各細胞分画ごとに50-100個の微量RNAシークエンスを行う。同時に、それぞれの細胞群を用いて、エクソームシークエンスを行う。 解析が進んでいるものについては、情報解析を進め、親玉がん幹細胞とその性質を規定するパスウエイを絞り込む。ゲノム変異の蓄積によるがん細胞不均一性と、がん幹細胞様細胞を頂点とするヒエラルキーとの統合的な理解を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳がん臨床検体のトリプルネガティブタイプを用いて、patient-derived xenograft (PDX)を作成、ここからスフェロイド培養を継続的に再現性よく行える培養条件の検討を詳細に行った。結果、3検体において、再現性よくスフェロイド培養を行える条件が整った。これらを用いて、IGF1RとNP1に対する抗体を用いてセルソーティングを行い、再現性よくIGF1Rの高い細胞群と、NP1の高い細胞群を濃縮できる条件検討を行った。 研究に必要な倫理申請を行い、承認を得た。 2検体について、それぞれの細胞群を用いて、FluidumのC1 single cell-prep systemにより、1細胞を回収して、各細胞分画ごとに50-100個の微量RNAシークエンスを行った。同時に、それぞれの細胞群を用いて、エクソームシークエンスを行った。 乳腺外科へ出向いて、外科手術直後のサンプルをいただき、初代培養を行うとともに、組織切片を作成してPDX構築を行った。トリプルネガティブタイプのみならず、ルミナルタイプ、HER2ポジティブタイプについても、継続的に初代培養、PDXの構築を行い、カタログ化、収集している。初代培養、もしくはPDX由来の細胞は、スフェロイド並びにオルガノイド培養に供し、継続的に維持可能な検体の選別を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
現在新たにトリプルネガティブタイプ2検体について、PDX作成後、再現性よくスフェロイド培養が行えている。さらに、あとトリプルネガティブ2検体について、同様のスフェロイド培養が可能な検体を収集する。再現性よくスフェロイド培養を行える条件が整ったら、IGF1RとNP1に対する抗体を用いてセルソーティングを行い、再現性よくIGF1Rの高い細胞群と、NP1の高い細胞群を濃縮できる条件検討を行う。条件検討がすんだところで、それぞれの細胞群を用いて、FluidumのC1 single cell-prep systemにより、1細胞を回収して、各細胞分画ごとに50-100個の微量RNAシークエンスを行う。同時に、それぞれの細胞群を用いて、エクソームシークエンスを行う。 解析が進んでいるものについては、情報解析を進め、親玉がん幹細胞とその性質を規定するパスウエイを絞り込む。ゲノム変異の蓄積によるがん細胞不均一性と、がん幹細胞様細胞を頂点とするヒエラルキーとの統合的な理解を目指す。
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