• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

がん化の鍵となる増殖シグナル伝達の分子基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H02681
研究機関山口大学

研究代表者

島田 緑  山口大学, 共同獣医学部, 教授 (60444981)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードプロリン異性化酵素 / アンドロゲン受容体
研究実績の概要

前立腺がんの悪性化に重要なアンドロゲン受容体(AR)は、細胞内でプロリン異性化酵素FKBP51およびFKBP52と複合体を形成することが報告されている。しかし、FKBP51/52によるARの機能調節メカニズムについてはほとんど明らかになっていない。本研究では、ヒト前立腺がんにおけるFKBP51/52の役割を解明し、新規治療標的となる可能性を検討した。
まず、前立腺がん細胞にてFKBP51/52の発現を抑制し、増殖速度、AR発現量、リガンド誘導性AR核内移行を比較した。次に、FKBP51/52発現抑制細胞を用いて網羅的遺伝子発現解析を行った。また、NanoBiT法によりAR二量体形成を観察するとともに、リガンド添加時のAR複合体の結合状態を解析した。さらに、前立腺がんと診断された患者の全摘出前立腺組織検体を免疫染色後FKBP52の発現強度で分類し、血中PSA再発率を比較した。
実験の結果、FKBP51/52は前立腺がん細胞において増殖に必須であること、AR標的遺伝子発現に関与することが分かった。AR発現量や核内移行動態について検討したところ、FKBP51/52発現抑制細胞では大きな変化が見られなかった。しかし、リガンド添加時に誘導されるAR二量体形成は顕著に阻害されたことから、FKBP51/52がARの二量体形成に重要であることが示唆された。さらにクロマチン上に局在化するARおよび活性化型ARが減少していたことから、FKBP51/52がARの転写活性化に必要であることが明らかとなった。重要なことに、FKBP52が高発現している前立腺がん患者では術後PSA再発率が有意に短くなっており、予後悪性化予測因子としての可能性が示された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件)

  • [国際共同研究] Hospital Vall de’Hebron(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      Hospital Vall de’Hebron
  • [雑誌論文] Targeting EZH2 as cancer therapy2021

    • 著者名/発表者名
      Hanaki Shunsuke、Shimada Midori
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: - ページ: 1~4

    • DOI

      10.1093/jb/mvab007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Phosphoglycerate Mutase Cooperates with Chk1 Kinase to Regulate Glycolysis2020

    • 著者名/発表者名
      Mikawa Takumi、Shibata Eri、Shimada Midori、Ito Ken、Ito Tomiko、Kanda Hiroaki、Takubo Keiyo、Lleonart Matilde E.、Inagaki Nobuya、Yokode Masayuki、Kondoh Hiroshi
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 23 ページ: 101306~101306

    • DOI

      10.1016/j.isci.2020.101306

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] PP1脱リン酸化酵素を介した転写抑制機構2020

    • 著者名/発表者名
      花木駿介、羽原誠、正木貴大、前田啓介、佐藤悠紀、中西真、島田緑
    • 学会等名
      第163回日本獣医学会学術集会
  • [学会発表] PP1脱リン酸化酵素を介した転写抑制機構2020

    • 著者名/発表者名
      花木駿介、正木貴弘、前田啓介、佐藤悠紀、羽原誠、中西真、島田緑
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
  • [学会発表] 乳がんの予後不良因子サイクリンD1の発現調節機構の解明2020

    • 著者名/発表者名
      羽原誠、五島隆宏、正木貴大、前田啓介、花木駿介、佐藤悠紀、加藤洋一、島田緑
    • 学会等名
      第163回日本獣医学会学術集会
  • [学会発表] カルシニューリンによる細胞増殖制御2020

    • 著者名/発表者名
      島田緑
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] PP1とNIPP1の相互作用を介したDNA損傷後のE2F1標的遺伝子の転写抑制機構2020

    • 著者名/発表者名
      島田緑
    • 学会等名
      第63回大会日本放射線影響学会
    • 招待講演
  • [学会発表] カルシニューリンはエストロゲン受容体αの安定性と活性を制御する2020

    • 著者名/発表者名
      正木貴大、羽原誠、花木駿介、前田啓介、佐藤悠紀、島田緑
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会
  • [学会発表] A Day in the Life2020

    • 著者名/発表者名
      島田緑
    • 学会等名
      第43回分子生物学会年会サテライトシンポジウム
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi