カルシニューリン/NFAT(nuclear factor of activated T cells)経路は、乳がんの発がん性や転移性に必須の役割を果たしている。しかし、カルシニューリン阻害による抗増殖効果の分子メカニズムは不明である。我々は、カルシニューリンの阻害により、G1/Sでの細胞周期の進行が遅延し、Thr286の脱リン酸化が阻害されることでサイクリンD1の分解が促進されることを発見した。サイクリンD1を過剰発現させると、G1/Sの進行遅延が部分的に回復したことから、サイクリンD1がカルシニューリン阻害の下流にある重要な因子であることがわかった。
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