研究課題/領域番号 |
18H02694
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20240905)
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研究分担者 |
馬場 祥史 熊本大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20599708)
石本 崇胤 熊本大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00594889)
美馬 浩介 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00546559)
原田 和人 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70608869)
今村 裕 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 副医長 (70583045)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Fusobacterium nucleatum / 抗癌剤感受性 / autophagy |
研究実績の概要 |
食道癌関連microbiome(Fusobacterium nucleatum等)を用いた機能解析により、食道癌の抗癌剤耐性、浸潤・転移への影響とそのメカニズム解明を目指し、microbiomeをターゲットとした創薬のためのシーズを探索することが本研究の目的である。 食道癌データベースを用いて、Fusobacterium nucleatumと抗癌剤感受性との関係を評価したところ、Fusobacterium nucleatum陽性例では有意に抗癌剤(5-FU, CDDP)に抵抗性であることが明らかになった。抗がん剤治療効果については、RECIST、治療前後でのSUV max変化、tumor regression gradeで行った。今後は、さらに症例を蓄積し、前向きに検証していく予定である。 次に、Fusobacterium nucleatumと癌細胞株共培養の条件設定を行った。興味深いことに、Fusobacterium nucleatumが癌細胞内へ侵入する様子を電子顕微鏡でとらえることができた。また、それらの細胞では特異的にautophagosomeが観察され、autophagyが誘導されていることが示唆された。また、臨床データベースにおいても、Fusobacterium nucleatumとautophagy (ATG-7 expression)との関連が示されている。今後は、さらに抗癌剤感受性を引き起こすメカニズムに関して、autophagyの観点から検証を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、食道癌関連microbiome(Fusobacterium nucleatum等)を用いた機能解析により、食道癌の抗癌剤耐性、浸潤・転移への影響とそのメカニズム解明を目指し、microbiomeをターゲットとした創薬のためのシーズを探索することである。 食道癌データベースを用いて、Fusobacterium nucleatumと抗癌剤感受性との関係を評価したところ、Fusobacterium nucleatum陽性例では有意に抗癌剤(5-FU, CDDP)に抵抗性であることが明らかになった。抗がん剤治療効果については、RECIST、治療前後でのSUV max変化、tumor regression gradeで行った。 次に、Fusobacterium nucleatumと癌細胞株共培養の条件設定を行った。興味深いことに、Fusobacterium nucleatumが癌細胞内へ侵入する様子を電子顕微鏡でとらえることができた。また、それらの細胞では特異的にautophagosomeが観察され、autophagyが誘導されていることが示唆された。また、臨床データベースにおいても、Fusobacterium nucleatumとautophagy (ATG-7 expression)との関連が示されている。このように、研究はおおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
Fusobacteriumと抗癌剤感受性については、今後は、さらに症例を蓄積し、前向きに検証していく予定である。 Fusobacteriumが抗癌剤感受性に影響を与えるメカニズムに関しては、今後は、さらにin vitro, in vivoでの検証を進めていく。Autophagyがそのメカニズムの中心になると考えており、観点から検証を進めていく。食道癌では、Docetaxel, 5-FU, CDDPがkey drugとなるので、これらに対する感受性との関係を網羅的に検証してく予定である。
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