抗腫瘍免疫に応答して癌細胞が免疫抵抗性を獲得し悪性度を増強する分子機構の解明を目的に研究し、その過程で以下のことを明らかにした。1) 癌細胞および宿主ミエロイド系細胞でのCD155の新規発現は、癌細胞の抗腫瘍免疫反応からのエスケープに関与する。2)細胞死誘導レセプターDR5の核内移行の阻害による細胞表面での発現増強が、細胞死抵抗性の癌に対しても腫瘍治療効果を発揮させる。3)転移の初期に起きる炎症の場での骨芽細胞によるThymic stroma lymphopoietin (TSLP)の産生は破骨細胞の分化を抑制し、骨転移形成に関与する。
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