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2018 年度 実績報告書

アディポカイン制御因子の解明に基づく動脈硬化診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18H02731
研究機関大阪大学

研究代表者

木原 進士  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20332736)

研究分担者 山本 浩靖  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00631201)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード蛋白質 / 医療・福祉 / 分析科学 / 細胞・組織 / 生体分子
研究実績の概要

本研究は、新規アディポカイン制御因子(AKRF)を同定し、アディポネクチンやオメンチンとAKRFとの複合体による動脈硬化発症機序を明らかにすると共に、複合体測定による動脈硬化の診断法と、AKRFをターゲットとした治療法の開発につなげることを目的とする。

2018年度は、ヒト血清およびヒト血管内皮細胞からAKRFとして複数のケモカイン(未発表のためCCLxと表記する)を同定した。そして、Mycタグを付加したアディポネクチン(myc-APN)とFLAG タグを付加したCCLx (FLAG- CCLx)を発現させたHEK293細胞溶解液を抗myc 抗体で免疫沈降するとFLAG- CCLxはmyc-APNに共沈し、抗FLAG抗体で免疫沈降するとmyc-APNがFLAG- CCLxに共沈することから、両者の特異的な結合を確認した。次に、冠動脈疾患症例において、血清を抗APN抗体で免疫沈降し抗CCLx抗体でウエスタンブロットする系を用いてAPN- CCLx複合体を半定量した。血清CCLx量は、プラークのサイズと正の相関傾向を認め、症例数を増やして検討中である。

アディポネクチン- Mac2 Binding Protein (M2BP)複合体を認識するモノクローナル抗体の作製に関しては、作製した抗体を検出抗体として構築したELISA系では免疫沈降とウエスタンブロットで半定量したアディポネクチン-M2BP複合体を検出できず、引き続き作製中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数のケモカインを新規アディポカイン制御因子(AKRF)として同定し、冠動脈疾患において動脈硬化との関連を検討し、新たな知見を得ている(未発表)。また、新規AKRFの同定や、複合体測定系の開発が進んでいる。

今後の研究の推進方策

今年度も引き続き、ヒト血清や培養細胞から免疫沈降と質量分析を用いたアディポカイン制御因子(AKRF)の同定を行う。並行してヒトゲノムデータベースを用いて同定したAKRFに共通するアミノ酸配列を含むcDNAの検索も行う。動脈硬化との関連が推定される分泌蛋白や受容体や機能が未知の分子を候補とし、候補分子のcDNAを用いて蛋白を発現させ、in vitroの系でアディポネクチンやオメンチンとの特異的な結合が確認されたものをAKRFとし、複合体測定系の開発と臨床意義の解明、動脈硬化モデルにおける機能解析を行う。

昨年度にAKRFとして同定した複数のケモカインに関しては、血管内皮細胞傷害、マクロファージや血管平滑筋細胞の遊走といった動脈硬化促進作用に対するアディポカインとの相互作用を培養細胞系で検討する。また症例数を増やして、AKRFであるケモカイン血中濃度や、血清アディポカイン- ケモカイン複合体量と冠動脈プラークとの関連を検討する。

冠動脈疾患で血中濃度が増加することを見出したアディポネクチン- M2BP複合体や、冠動脈プラーク性状と関連することを明らかにしたアディポネクチン- シスタチンC複合体を定量的に測定するELISA系の構築を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Juvenile-onset systemic lupus erythematosus with severe hypertriglyceridemia induced by anti-apolipoprotein C-II antibody.2019

    • 著者名/発表者名
      Inoue M, Kawamura M, Yamamoto H, Takahashi T, Kihara S.
    • 雑誌名

      Pediatr Int.

      巻: 61 ページ: 201-203

    • DOI

      10.1111/ped.13736.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of a Dipeptidyl Peptidase 4 Inhibitor Sitagliptin on Glycemic Control and Lipoprotein Metabolism in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus (GLORIA Trial).2018

    • 著者名/発表者名
      Masuda D, Kobayashi T, Sairyou M, Hanada H, Ohama T, Koseki M, Nishida M, Maeda N, Kihara S, Minami T, Yanagi K, Sakata Y, Yamashita S.
    • 雑誌名

      J Atheroscler Thromb.

      巻: 25 ページ: 512-520

    • DOI

      10.5551/jat.41343.

    • 査読あり
  • [学会発表] メタボリックシンドロームとアディポネクチン2018

    • 著者名/発表者名
      木原進士
    • 学会等名
      第72回日本栄養・食糧学会大会 医学系学会との合同シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 冠動脈疾患とHDL代謝におけるMac-2BPの意義2018

    • 著者名/発表者名
      鎌松由佳、山本浩靖、二位永竜、松岡哲郎、木原進士
    • 学会等名
      第50回日本動脈硬化学会総会・学術集会
  • [学会発表] レムナントリポ蛋白代謝におけるアディポネクチンの意義2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷沙帆、山本浩靖、菊池厚志、木原進士
    • 学会等名
      第65回日本臨床検査医学会学術集会
  • [学会発表] 動脈硬化とHDL代謝におけるMac-2 binding proteinの意義2018

    • 著者名/発表者名
      鎌松由佳、山本浩靖、二位永竜、松岡哲郎、木原進士
    • 学会等名
      第65回日本臨床検査医学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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