研究課題
独自に作製した動物モデルやヒト組織を利用した、食塩感受性高血圧および腎臓病進行の不可逆化・腎臓起点の老化促進の分子機序における腎尿細管区分特異的なATRAPの従来機能と新機能の意義の解明に関して、実験動物における実証的検討を行っている。具体的にはATRAP高発現マウスを用いて、慢性腎臓病病態モデルとして腎毒性薬物Xによる腎障害における腎臓の線維化に対する改善効果についての検討を行なった。また、近位尿細管特異的ATRAPノックアウトマウス(ATRAP-PT-KO)の作製と慢性Ang II刺激誘発性高血圧への影響について検討した。さらに、クローン化不死化ヒト近位尿細管細胞株(ciRPTEC)の樹立を行い,in vitroでATRAPによるSIRT1発現調節機構を解析し、近位尿細管におけるATRAPの腎性老化に関わる機序について検討した。これらの検討結果から、近位尿細管においてATRAPがAng II-AT1Rシグナル伝達経路と非依存的にSIRT 1タンパク質の発現を調節していることが示唆された。また、ciRPTECにおけるSIRT1タンパク質の存在量が、主にタンパク質新規合成または安定性のレベルで調節され、mRNA転写または安定性のレベルでは調節されないことを示すものであると考えられる。 SIRT1は、加齢に伴う慢性腎臓病の病因に関与する分子であり、様々な機序を介して腎臓をはじめ、臓器保護的に働くタンパクである。本研究での結果は、加齢に伴う腎臓の線維化にATRAPの関与を示した我々の以前の報告と合わせて、ATRAPがSIRT1タンパク質発現を調節し、加齢に伴う慢性腎臓病の発症機序にどのように関与しているかの病態解明に貢献すると考えられた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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