わが国の硬膜移植後のCJDでは、M1プリオン感染が70%、V2プリオン感染が30%とヨーロッパの孤発性CJDの比率に近い頻度で認められたが、英国及び仏国の成長ホルモン製剤投与後のCJDでは、90%以上がV2プリオン感染という特異な比率を示している。我々は、頭蓋内投与の硬膜移植と皮下投与の成長ホルモン製剤の投与法により感染性の違いが生じるのではないかという仮説に基づいて、末梢投与による感染性の違いを検討することにした。M1プリオンはV2プリオンに比べて、末梢ルートでは感染しにくいことが明らかとなり、M1プリオンは129Met/Metのヒトにはまず感染しないことが示された。
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