研究課題/領域番号 |
18H02744
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
斉木 臣二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00339996)
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研究分担者 |
笹澤 有紀子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20594922)
天羽 拓 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 講師 (40453922)
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60213253)
赤松 和土 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60338184)
石川 景一 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (90733973)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨格筋 / パーキンソン病 / 臓器連関 |
研究実績の概要 |
背景: 申請者は種々のパーキンソン病(以下PD)特異的代謝異常に加え、carnitine palmitoyltransferase-1B(CPT1B)機能低下による骨格筋脂肪酸ベータ酸化低下がPD早期例に生じ、これを反映する長鎖アシルカルニチン群の低下が早期診断バイオマーカーとして有用であることを報告した。PD臨床症状として骨格筋機能変化による諸症状(振戦・無動・筋固縮)が特徴的とされるが、その約30年前から上腕二頭筋力・握力の低下が検出されるなど、発症前・早期症状としての骨格筋機能異常の存在が明らかとなっている。また申請者は早期PD症例血漿にてmyocytokineの一つであるBrain-derived neurotrophic factor (BDNF)低下を明らかにしており、骨格筋内分泌機能低下による中枢神経細胞への影響の端緒を得ているが、骨格筋代謝機能異常と黒質ドパミン神経細胞との相互作用については殆ど報告が無い。 目的: パーキンソン病病態における骨格筋と脳(特に黒質ドパミン神経細胞)の連関を、体液因子に着目して解明すること 結果: ①培養細胞(筋芽細胞であるC2C12細胞)を用いて、脂肪酸beta酸化過程のcarnitine palmitoyltransferase 1を阻害するetomoxir添加後に、培養上清の代謝産物・pHを測定することで、実験的に脂肪酸β酸化変化をモニタリングできる実験系を構築した。②パーキンソン病患者血漿・ゲノムDNA・血清を同時に採取し、それぞれを用いてメタボローム解析・エクソーム解析・エクソソームmiRNA解析を実施した。コントロールに比較し、明らかな脂肪酸ベータ酸化機能低下を確認し、CPT1B mRNA発現に影響を与えるmiRNAを15種特定した。CPT1Bのゲノム変化については現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞モデルの作成・測定系の樹立を終えている。ヒトサンプル採取、各種計測は予定通りに進んでおり、トランスオミックス解析のアルゴリズム作成もほぼ完了している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画ではiPS細胞由来骨格筋細胞の作出を予定していたが、免疫細胞染色などでの評価は可能であるが、タンパク質実験・代謝産物測定などには用いられないことが判明している。従って、本項目についてはC2C12細胞などの培養細胞モデルで代用し、ヒトサンプルで得られたデータの検証を実施する。
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