自閉スペクトラム症者がアンドロイドと対面する際に心地よく関われるようにアンドロイドの動きのプログラムを設定した。自閉スペクトラム症者は周りの環境やアンドロイドとの距離によって集中力が大きく異なるため、周辺環境も適宜調整した。また個々の自閉スペクトラム症者がストレスをほとんど感じることなくインタラクションできるように設定の調整をした。またアンドロイドのスピードや動きを調整するなど、自閉スペクトラム症者がアンドロイドを違和感なく、少しでも一体感を持って操作できるように、ストレスを感じることなくアンドロイドを操作できるような設定をした。設定後にアンドロイドを遠隔操作することで面接官の立場になった後、アンドロイドが面接官をする中で対面にて模擬の面接練習を行った。その後、実験補助者が、模擬面接においてうまくいかなかった点及びよかった点をフィードバックし、今後に向けた改良点を助言した。「自閉スペクトラム症者がアンドロイドを用いた面接訓練法に加えてSSTを併用する群」と「SSTのみを行う群」の2群に分け効果を比較したところ、「自閉スペクトラム症者がアンドロイドを用いた面接訓練法に加えてSSTを併用する群」では面接時のストレスの改善、自尊心の改善、ノンバーバルコミュニケーションの改善が示唆された。また自閉スペクトラム症者にとって本システムは最後までモチベーションを持続して取り組むことができることが明らかになった。
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