研究課題/領域番号 |
18H02748
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山末 英典 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80436493)
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研究分担者 |
横倉 正倫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00529399)
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
亀野 陽亮 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40537255)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | うつ病 / 脳画像研究 / PET / MRI / 認知行動療法 / 専門外来 |
研究実績の概要 |
2019年度は、研究計画書に従って、2018年度に続いて研究参加者リクルートを進めた。被験者リクルートを促進するために医療機関以外にも参加者募集のための連携を広げた。具体的には、向精神薬が未投薬の軽症うつ病症例は企業の産業精神保健の中で対応が行われていることが多いと考え、静岡県内の企業や産業医との連携体制を構築した。こうした研究体制の整備によって、現在までに参加条件、除外条件を確認した上で、2019年度までに健常者15名、抗うつ薬を服薬していない軽症のうつ病患者2名をリクルートできた。そして、これらの被験者に対し、頭部Positron emission tomography (PET)検査、頭部Magnetic resonance imaging (MRI)検査を行なった。 PETトレーサーとしてセロトニン受容体5-HT1ARは[11C]WAY-100635を、セロトニントランスポーター5-HTTは[11C]DASBを用いた。MRIは、形態画像に加えて、resting state functional MRIとMEGA-PRESS法による1H-MR-spectroscopy (1H-MRS)を撮像している。また、同一日に臨床症状の評価尺度としてベックうつ病評価尺度I(Beck Depression Inventory)、HDRS(Hamilton Depression Rating Scale)、YMRS(Yang Mania Rating Scale)を行なった。さらに被験者より血液サンプルを採取し、一般血液検査、DNA抽出を行った。 1H-MRSで撮像した内側前頭前野のGABAやGlutamateやGlutamineなどの代謝物濃度を測定するために、LCModeltごインストール用のPCを購入して、測定体制を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通りの研究遂行のためには、2019年度までにうつ病患者20名程度と健常者20名程度について研究参加を得ていることが望ましかったが、実際には患者群2名と健常者15名の研究参加にとどまった。一方で、浜松医科大学附属病院でのうつ病への認知行動療法専門外来の開設とその運営や、データ収集とデータ解析体制の構築などは順調に進んでいる。データの質としても当初の計画通り、PET, MRI, 臨床データ、血液検体を順調に収集することが出来ている。そのため、後は研究参加者のリクルートを進めることが出来れば、計画通りの順調な進展であると区分できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究参加者募集を推進して、研究計画を達成して研究目的を実現させる。PET, MRI, 臨床データ、血液検体について、データ収集とデータ解析体制の構築は順調に進んでいるため、研究参加者のリクルートが進めば、目的を達成して成果をあげることが出来ると考えられる。そのため、インターネットや広報誌に、浜松医科大学附属病院でのうつ病への認知行動療法の専門外来やP本研究についての説明や広報記事を掲載している。これらの広報は2020年度はさらなる強化も検討している。また、静岡県内の精神科やプライマリーケアの医師が集まる研究会や会合での講演を行なって、研究参加者や専門外来受診者を増やすための広報を強化している。これらの研究参加者リクルート推進によって研究参加者を得ることが出来れば、2019年度までに構築したデータ収集体制と解析体制を駆使して研究成果を得るように研究を進める。
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