研究課題/領域番号 |
18H02752
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
上野 修一 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80232768)
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研究分担者 |
田原 康玄 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (00268749)
三宅 吉博 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
伊賀 淳一 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (70363140)
大澤 春彦 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90294800)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 一酸化炭素 / メチルアルギニン / AGXT2遺伝子 / 高血圧 / 糖尿病 / 認知症 |
研究成果の概要 |
一酸化窒素(NO)は、統合失調症や認知症との関連も報告されている重要な物質である。NO合成を調節する2つの酵素アラニン:グリオキシル酸アミノ基転移酵素2(AGXT2)とジメチルアルギニンジメチルアミノ水酸化酵素(DDAH)が、高齢者の生活習慣病や認知症の発症に関連するかどうかを検討した。AGXT2遺伝子の4つの多型およびDAAH1遺伝子の5多型を用いて、65歳以上の全住民を対象とした集団ベース研究の解析(750名、平均年齢77.0 ± 7.6 歳)から、血圧および血糖値とAGXT2遺伝子が有意に相関することを確認した。一方、DDAH1とは関連しなかった。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の解析は、チミンの分解産物R-3-アミノイソ酪酸の唯一の代謝酵素AGXT2遺伝子が、一酸化窒素の合成酵素阻害するメチルアルギニン(ADMA等)を介し、高血圧や糖尿病の発症に関わる可能性を集団ベース研究解析から明らかにした。一酸化窒素は、生活習慣病の発症だけでなく、中枢神経機能とも関わる神経伝達物質の一つであることから、脳血管性認知症だけでなく、アルツハイマー病型認知症を含めた他の精神障害とも関連する可能性があり、その最初のステップとなることが証明された。この事実は、日本人での認知症を含めた病態に対する理解を進める上で意味があると思われ、日本人でしか行えない研究で非常に有意義であった。
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