研究課題/領域番号 |
18H02753
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩本 和也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40342753)
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研究分担者 |
川野 美智代 尚絅大学, 生活科学部, 准教授 (30738472)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 体細胞変異 / 統合失調症 / エクソーム |
研究実績の概要 |
本計画では、脳神経系のゲノムDNAの高深度ゲノム配列解析データからの体細胞変異同定技術の確立を行っている。本年度は、昨年度までに追加で取得を行った、高深度エクソーム解析データ(統合失調症前頭葉神経細胞および非神経細胞について各N=10、健常者と合わせて合計20検体)について継続して解析を行った。死後脳試料は米国スタンレー財団より提供を受けた試料を使用した。また本年度末に、先進ゲノム解析研究推進プラットフォームの支援を受け、統合失調症マウスモデル(母体免疫活性化モデル)の前頭葉においても高深度エクソーム解析データの取得を行った。 本年度は、死後脳試料のエクソーム解析データについては、QCとマッピングなどの基礎的な一次解析を中心に行った。体細胞変異解析パイプラインの開発として、特にLINE-1などの内在性レトロトランスポゾン配列解析についてのパイプライン確立を行った。このために、転移因子配列の参照データベースの構築を、マウスおよびヒトにおいて行った。本参照配列の利用により、エクソームや全ゲノム配列解析などのゲノム解析データ、トランスクリプトーム解析データ、およびバイサルファイト変換後のDNAメチル化解析データにおいて、転移因子の詳細な定量的解析が同一アルゴリズムで可能になったと期待され、次年度において検証する。 本計画は、熊本大学において必要と定められたヒトゲノム解析および倫理承認を受けて遂行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析パイプラインの構築が順調に進んでおり新規データの取得も行った。しかしながら栄養学的面からの検討については、コロナ感染防止対策の影響を受け実施が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
確立したトランスポゾン解析法について特に有用性の検証をヒトやマウスデータを用いて行う。
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