研究課題/領域番号 |
18H02755
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383866)
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研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00190728)
野田 賀大 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (20807226)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 治療抵抗性統合失調症 / グルタミン酸 / GABA / TMS-EEG / MRS |
研究成果の概要 |
統合失調症では、基底核グルタミン酸濃度が上昇し、中帯状回のグルタミン酸濃度とGABA濃度の低下していること、基底核グルタミン酸濃度は疾患の進行や抗精神病薬治療により低下する可能性があること、そして、中帯状回GABA濃度は発症とともに上昇する可能性があることを明らかにした。次に、治療抵抗性統合失調症では、中帯状回のグルタミン酸濃度の上昇を報告した。ただし、治療抵抗性統合失調症と健常人では有意差を認めるが、治療抵抗性統合失調症と寛解統合失調症においては統計学的有意差を認めず、各群内での病態の異質性を示唆する知見であった。治療抵抗性統合失調症におけるGABA濃度の上昇については査読中である。
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自由記述の分野 |
MRI・PET撮像・解析、TMS
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
約3割の統合失調症患者に対して抗精神病薬は無効であり、その病態は従来のドパミン仮説では説明できない。新たな治療法の開発のために、興奮・抑制バランス異常仮説は治療抵抗例の病態を説明する仮説として注目を集めている。本研究でも治療抵抗例の脳内グルタミン酸神経系とGABA神経系の異常を明らかにした。この結果から、統合失調症の病態の異質性を、ドーパミン仮説と興奮・抑制不均衡仮説に基づいたディープ・フェノタイピングと多変量解析を用いたバイオタイピング、そのバイオタイプに対するバイオマーカーを用いたクローズド・ループ・ニューロモジュレーションの開発することが期待される。
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