研究課題/領域番号 |
18H02765
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
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研究分担者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (10380693)
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90402205)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 画像診断 / レドックス |
研究実績の概要 |
① 放射線治療と代謝イメージング法の開発 (松尾、兵藤) 臨床における(a)悪性グリオーマの拡散強調画像やMRS (magnetic resonance spectroscopy)などを用いたMRI、メチオニンPETの画像診断などの解析、および(b)画像誘導放射線治療を利用した定位放射線治療や強度変調放射線治療(intensity modulated radiation therapy:IMRT)などの高精度放射線治療を詳細に検討した。また、画像診断および放射線治療の実験プロトコールの作成を行った。また、腫瘍細胞種に依存してプローブの浸透度等の検討が必要となるため、マウス種、腫瘍細胞を用い、脳腫瘍の撮像てに最適化したプローブと撮像シーケンス、脳高感度計測用局所検出器を開発している。 ② 小児脳幹グリオーマモデル検証 (富田) H3F3A K27M変異型小児脳幹部グリオーママウス移植実験: H3F3A K27Mドライバー変異型グリア細胞と正常型グリア細胞を免疫不全マウスの脳内(皮下とin vitroは検証済み)に移植した脳腫瘍モデルを作製し、DNP-MRIを用いた代謝イメージング実験を開始した。またイメージング終了後の腫瘍サンプルを採取し、病理組織学的観点より代謝イメージングで得られた非侵襲レドックス代謝マップとの相関関係の有無や、DNP-MRIイメージングにおけるプローブの浸透性等の検討を開始した。 ③ 大動物への展開 (森) DNP-プローブの1 つであるCarbamoylPROXYL を用いた検討をブタを用いておこなう開始した。具体的には、生後4 ヶ月齢以降のブタを用いて、 CarbamoylPROXYL を静脈内より投与し、急性毒性、経時的な採血により体内動態を確認し、マウスのデータを相互比較し、ブタにおけるCarbamoyl PROXYL の代謝速度を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題研究は3つの探索研究(① 放射線治療と代謝イメージング法の開発 (松尾、兵藤)、② 小児脳幹グリオーマモデル検証 (富田)、③ 大動物への展開 (森))から構成されているが、いずれも実験計画に沿って進められている。
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今後の研究の推進方策 |
以下の計画に沿って進めていく。 ① 放射線治療と代謝イメージング法の開発 (松尾、兵藤) 小児脳幹グリオーマ移植マウスに対し、岐阜大学動物病院内のリニアックを用いて放射線治療専門医が定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療を行い、最も適切な放射線治療の方法(照射総線量、1回線量、照射回数など)の確立を目指す。 ② 小児脳幹グリオーマモデル検証 (富田) 前年度のマウスモデル(皮下あるいは脳内モデル)の腫瘍を用い、ヒストンH3F3AK27M変異型マウスグリア細胞(グリオーマ)と野生型グリオーマの解糖系・糖新生・TCAサイクル・アミノ酸代謝などの代謝関連物質のメタボローム解析を行う。さらに、前年度のマウスモデル(皮下あるいは脳内モデル)の腫瘍を用い、ヒストンH3F3A K27M変異型マウスグリア細胞(グリオーマ)と野生型グリオーマの遺伝子発現の変化を網羅的に解析する。 ③ 大動物への展開 (森) 平成30 年度の実験において決定したCarbamoyl PROXYL の投与量を用いて、MRI によるT1 強調のダイナミックイメージングを行い、レドックスプローブ(CarbamoylPROXYL)のブタ各臓器における基礎代謝速度を調べる。またマウスを用いた研究において、放射線照射を各分担者と連携し行う。
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